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2012年10月から、自動車保険制度が改定されます
ニュースや新聞等で見た方も多いと思いますが、実は、自動車保険の制度が大きく変わります。
(正確に言うと、もう徐々に変わっている)
今までも何度か自動車保険の改定は行われてきましたが、今回2012年10月より行われる改定は、今までの改定とは訳が違います。
この大きな自動車保険の改定についてまとめてみました。
<<何が変わるの?>>
今回の改定は、大きく2つ。
1.事故を起こした人の保険料は高くしてしまおう!
(等級係数の見直し&事故有係数適用期間の新設)
2.保険つかったら小さい事故でも等級下げるよ!
(等級据置き事故は廃止)
この改定の目的は、保険会社いわく「保険料負担が不公平だから公平にするんだ」とのことですが、どうみても保険会社の収益改善を狙って行われるものなんじゃないか・・という考えになってしまいます。
改正を詳しく見ていきます。
1.事故を起こした人の保険料が高くなる。それも最大6年間も!
自分の自動車保険料は、等級によって決まっているという事はほとんどの自動車ユーザーはご存知のことと思います。参考→等級ってなに?
簡単に等級について言うと、基本的に自動車保険は、1~20等級まであります。
20等級が一番保険料の割引率が高くて、言うならば優秀なユーザー。等級が低くなればなるほど、事故の多いだめなドライバーということです。
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はじめて自動車保険に最初に入ると6等級からスタートし、無事故(保険を使わなかったら)の場合翌年1等級アップし、保険料の割引率が上がり自動車保険料が安くなります。
万が一事故を起こしてしまったら?等級は3つもダウンして、保険料は今よりも上がってしまう。
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・・・と、ここまでが今までの自動車保険の等級システム。(ノンフリート等級別料率という。)
今回の改正で導入されるのは、まずはこの等級ごとの割引率の見直しです。
今までの等級システムだと、事故を起こしたことのない10等級の人と、事故を起こして13等級→10等級に下がってしまった人とでは、同じ10等級なので保険料の割引率は同じでした。
これでは不公平だということで、事故を起こした人は別の割引率システムを使って保険料を高く払って貰おうというのが、いわゆる前述1.の「等級係数の見直し」です。
▼今までの保険料率
等 級 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
割 引 ・ 割 増 率 |
+ 52 % |
+ 26 % |
+ 10 % |
- 1 % |
- 10 % |
- 17 % |
- 23 % |
- 28 % |
- 33 % |
- 37 % |
- 40 % |
- 44 % |
- 47 % |
- 50 % |
- 52 % |
- 55 % |
- 57 % |
- 59 % |
- 61 % |
- 63 % |
▼改定の例
等 級 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無事故係数 | + 64 % |
+ 28 % |
+ 12 % |
- 2 % |
- 13 % |
- 19 % |
- 30 % |
- 40 % |
- 43 % |
- 45 % |
- 47 % |
- 48 % |
- 49 % |
- 50 % |
- 51 % |
- 52 % |
- 53 % |
- 54 % |
- 55 % |
- 63 % |
事故有係数 | - 20 % |
- 21 % |
- 22 % |
- 23 % |
- 25 % |
- 27 % |
- 29 % |
- 31 % |
- 33 % |
- 36 % |
- 38 % |
- 40 % |
- 42 % |
- 44 % |
【無事故】の人と、【事故有り】の人とで、保険料の割増引率が分けられてしまいます。
(そんでよく見るとなぜか乗っかって無事故の人でも割引率低くなってる等級がある件。)
さらに増設された改定項目が、事故有係数適用期間の新設です。
事故を起こした(保険をつかった)場合、保険料は今まで無事故係数により計算されていたものが、「事故有係数」による割増引率による計算に変更されますが、
さらにこの事故有係数適用期間の新設によって、この「事故有係数」で保険料が決められてしまう期間がなんと3年間にも及ぶこととなってしまいます。
つまりどういうことかというと・・・
10等級の人が事故を起こし保険を使いました。
無事故係数で-45%の割引率だったものが、3等級ダウンで7等級になり、さらに「事故有係数」での計算に変わるので-20%の割引率に変更になってしまいます。
大雑把にいいますが、仮に基の保険料が10,000円だったとした場合、-45%で5,500円/月の保険料だったものが、-23%に変わるので8,000円/月になってしまうことになります。
さらに!
この割増された保険料率の適用が、3年間続くのです。
(3等級ダウンの事故の場合は3年間。1等級ダウン事故の場合は1年間です)
▼現在10等級の人が事故を起こした場合と、事故なしの場合の保険料差の例
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
事故なし | 10等級 5,500円/月 |
11等級 5,300円/月 |
12等級 5,200円/月 |
---|---|---|---|
その差 | 月額2500円 年額30,000円! |
月額2,600円 年額31,200円! |
月額2,600円 年額31,200円! |
事故あり | 7等級にダウン 8,000円/月 |
8等級 7,900円/月 |
9等級 7,800円 |
3年間トータルすると、事故なしの場合と比べてなんと92,400円も差が生まれます。
さらに、3等級ダウン事故後また続けて事故が発生すれば、この事故有係数適用期間は6年にも及ぶ事となります・・。
2.保険つかったら小さい事故でも等級下げるよ!等級据置き事故の廃止
もうひとつの改定は、等級据え置き事故の廃止です。
今までは、飛び石によって車のガラスが破損した場合や、車の盗難などの事故が起こり保険を使った場合では「等級据え置き」=つまり等級が下がらない。というシステムがありました。
なんとこれが廃止されてしまうのです。代わりに、これらの事故は「1等級ダウン事故」として扱われ、ひとつ等級が下がる事となります。
今までは等級は下がらないからと、飛び石によってガラスが破損した場合は、自動車保険を使って修理をしてきた人も多いと思いますが、この制度が導入されることによって自動車保険は使いにくくなります。自動車保険が使われるのは、物損事故がとにかく多いと思います。その物損事故に対して自動車保険を使いにくくするというのが狙いなんじゃないかと・・。
物損は自費で直してくれ・・保険はなるべく使って欲しくない!というのが保険会社の本音・・ということなのでしょう。
いつから変わるのか
いきなり改正がこの日から行われる・・という訳ではなく、徐々に移行されていくようです。
●2012年10月~周知期間
●2013年10月~経過措置期間1年目
●2014年10月~経過措置期間2年目
●2015年10月~経過措置終了
このようなスケジュールが現在のところたてられています。
徐々に保険会社の方で告知が行われているところも増えてきました。
自動車保険会社の改定正式発表
・三井住友海上 ニュースリリース 2012.5.18
・東京海上日動 よくある質問 2012.10.1
・損保ジャパン 自動車保険改定のご案内 2012.8.14
・あいおいニッセイ同和 改定について 2012.8.1
・日本興亜損害保険 商品改定のご案内 2012.10
・アクサダイレクト 制度改定のご案内 2012.8.14
・共栄火災 ニュースリリース 2012.8.10
・チューリッヒ 商品・料率改定のご案内 2012.10
2012年10月現在、改定が行われないのはソニー損保とそんぽ24です。情報が入り次第まだご紹介します。ただ、この改正にのっからないと、ハイリスクなユーザーが集まってしまう恐れがあることから、どの保険会社も導入していく方向になっていくと思われます。
自動車保険、どうしていけば良いのか
●とにかく事故は起こさないように気を付けるのが大前提
●軽い事故の場合は、保険を使うと損する場合があるのでよく計算してから保険は使う事
●自動車保険を安くする5つの方法を参考に、免責の設定や車両保険の見直しなどを行い保険料を払い過ぎないよう注意しましょう。
今回の改正ではとにかく保険が使いづらくなっています。さらに事故を起こした人には厳しい措置ができています。事故は起こさないよう安全運転を心掛け、万が一事故を起こしてしまった場合は、担当者と相談し、保険を使ったら保険料はいくらになるのか?修理を自費でした方が得なのではないか?などよく考えてから使うようにしましょう。
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